「凄いぞ」
「何が?」
「高井戸増圧ポンプへの経路はおそらく分からないと思っていた」
「地下で非公開だからね」
「でもね。1つ重大なヒントに気付いて現地に行ったら発見しちゃったのだ」
「ヒントってなに?」
「環八の近くにある水道関連施設という意味では大蔵給水所と同じ」
「それで?」
「つまり環八関連ではないかと思ったのだ」
「環八とは少し距離があるよ」
「そう。その距離が重要だった」
「なんで?」
「実は環八と高井戸増圧に曲がる道の間に限って、放射5号線の歩道が太いんだ」
「えっ?」
「厳密には植樹されている領域の幅が広い」
「地下に何かがありそうだ」
「なるほど……」
だがしかし §
「しかし、よく確認すると大蔵給水所は昭和22年の時点で既に存在する。時期がまるで違う。しかも、大蔵給水所は明らかに荒玉水道と接続する位置に存在する。環八とは関係無いかも知れない」
「ここまで引っ張ってそりゃ無いよ」